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給水活動の軍事的意義-侵略戦争加担をカムフラ-ジュ

サマワに駐留した陸上自衛隊が本格的に活動を始めたのは、2004年3月26日でした。サマワ住民に対する給水活動を開始したことが、当時大々的に報道されました(写真1)。暑く乾燥した砂漠地帯と、戦禍で疲弊、荒廃した市民生活のイメージが重なり、これぞ人道復興支援とばかりに、私たちの脳裏に強烈に焼きつけられました。
しかし、その給水活動は、政府開発援助(ODA)により設置された浄水設備が稼働するようになったことを受けて、06年2月4日で完全に終了しています。
乾燥して暑い砂漠地帯で活動する軍隊は、水がなければ一日たりとも活動できません。石油資源のない日本が、石油がなければ一日も成り立たないのと同じです。兵員の水分補給、食事、衛生、治療に必要なことは当然ですが、知られていないのが、兵器の動力が主に水冷ディーゼルエンジンだということです。高速走行や登坂能力など高い機動性が求められる兵器の動力は、強制冷却で能力を最大限に発揮させなければなりません。極端な言いかたをすれば、兵隊は一日ぐらい食事をしなくても何とかなりますが、兵器は一日たりとも止めてはなりません。その間に敵の攻撃を受けたら終わりだからです。
もう一つ大事なことは、軍事の根幹を支える水は、兵器燃料と同じで、現地調達することができません。なぜなら、そこが軍隊の決定的な弱点となり、狙われるからです。つまり、サマワの自衛隊は、広大なイラク南部砂漠地帯の占領政策を遂行する多国籍軍に、軍隊にとっての「命の水」を自前で安定的に供給するという〃軍事的〃役割、すなわち「後方支援」活動を担っていたのです。人道復興支援と矛盾する「重装備」で駐留した理由も、このような軍事目的との関係で考えると、よく理解できます。
こんな重武装が人道支援?-相手を制圧するための攻撃的兵器
陸上自衛隊がイラク・サマワに持ち込んだ兵器では、何といっても九六式双輪装甲車が注目されます(写真2)。これは、戦場において兵員を輸送するためのもので、時速100㎞で走行することができます。この双輪装甲車は40ミリ自動擲弾銃(写真3)を通常装備しています。そうすると戦車や戦闘装甲車に匹敵するぐらい強力な兵器となります。

この40ミリ自動擲弾銃は、隠れている相手も攻撃でき、「効果的な面的制圧性を有する」とされるものです。明らかに護身用、正当防衛の範囲を超え、相手を制圧するための攻撃的兵器です。

小火器としては、84ミリ無反動砲(写真4)、110ミリ個人携帯対戦車弾(写真5)などを持っていきました。110ミリ個人携帯対戦車弾(写真5)は、対戦車戦闘、低空を攻撃してくるヘリコプター攻撃などに使う、いずれも非常に強力な武器です。イラクにはもう戦車や戦闘機はありませんから、その存在自体が周囲を制圧する効果をもつものです。

航空自衛隊は、Cー130Hという輸送機を使って、クウェートからイラク各地に米軍の物資あるいは兵員を運んでいます。もともと空挺(パラシュート)部隊を輸送し、落下傘で降下するために開発されたもので、アメリカ軍をはじめ各国の空軍が使っています。搭乗する隊員は、9ミリ機関拳銃(写真6)という、護身用を超えた非常に強力な機関銃を携行しています。
これが「人道復興支援」でしょうか。イラクの人々にとっては「治安目的の占領軍」ではないでしょうか。





